「海峡を渡るバイオリン」

Sorin

2004年11月07日 12:24



創刊号から毎号読んでいる「韓国語ジャーナル」(アルク)第10号(2004年10月)に、紹介されていた、陳昌鉉氏の「海峡を渡るバイオリン」を読了した。
陳氏は少年の頃から模型飛行機作りに熱中するような性格であったそうだが、それは氏のいつの年代に於いても発揮されるすばらしい性格であった。
その性格がバイオリン作りに向けられたとき、遺憾なく発揮され、アメリカの国際バイオリン・ビオラ・セロ製作者コンクールに於いて6部門中5部門で金メダルを獲得するという快挙を成し遂げるまでに至った。現在では全世界でわずかに5人しかいないという「無鑑査マスターメーカー製作家」の一人だという。
ここに至るまでの、少年時代から、日本に来るに至った話、日本に来てからの学生時代、バイオリンの製作を始めた頃の話と興味尽きない話が次々と披露される。
なかでも英語を勉強している私には氏が英語を勉強された過程と英語ができることがどんなに役に立っているかと言うことを書かれた部分が興味深かった。
中学の頃から英語はできたわけであるが、日本で学資稼ぎにやった人力車引きで米兵相手に英語を話し、勉強した下りがおもしろい。のちにフィラデルフィアで行われたコンクールで受賞後のスピーチももちろん英語であるし、飛行機にビオラを乗せるまでの空港職員とのやりとりもおもしろい。
もちろん英語ができたから、超一流の演奏者に直接面会して、超一流の楽器にさわれたことがとても役に立ったとも言っている。



記事の中には氏の製作されたバイオリン、ビオラで演奏された曲を集めたCDが紹介されていたので、アマゾンに注文した。私の安物のCDラジカセでは本当の音は聞けないだろうが、細い音豊かな音は想像できた。中でも聞きたかった「鳳仙花」という曲は映画「三度の海峡」でバックに流れていた曲のように思えるのだが。いつかビデオでも見れたら確認したい。




創刊号から楽しんでいる、アルクの「韓国語ジャーナル」である。付録のCDがとても良い。DJの男性はとてもソフトな声でてっきり韓国人だと思っていたら、日本人であった。10号ではDJはイム・チュヒという韓国人の女性一人になっている。韓国の女性アナウンサーの声はとてもやさしくて私は大好きだ。
10号の付録のCDには陳氏のインタビューと「鳳仙花」が納められている。
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